第81章 彼女はきっと行く

西園寺翔もまた、橘宗一郎には何の好感も抱いていない。彼は鼻を鳴らして嗤った。

「橘凛は、あの父親のことなんて歯牙にもかけてないさ。だが、橘宗一郎が来るなと拒めば拒むほど、あいつは意地でも行くだろうよ。あの歓迎会、あいつは間違いなく顔を出すぜ」

西園寺泰造は神妙な面持ちで頷いた。

「ならば、尚更我々も行かねばなるまい。橘家のあの腐った連中を相手に、彼女を孤立無援にさせるわけにはいかん。その時は、俺たち親子であの子の背中を支えてやるぞ!」

          ***

半月という時は、瞬く間に過ぎ去った。

今宵、橘家の邸宅はいつになく賑わいを見せている。

海外留学から帰国した長男・橘...

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